]

"若手セラピスト向け"内部障害のリスクリハビリテーションの提供&ヒントを与えます!!!

腎GYM

知識 腎臓

「腎性貧血」がある慢性腎不全患者への運動の重要性!

更新日:

「腎性貧血」という言葉をご存知でしょうか。腎臓内科に関わる方であれば耳痛くなるほど聞いたことのある言葉かと思いますが、普段整形外科や脳外科などの分野で活躍されている方であれば、あまり耳にしたことがない言葉かもしれません。

 

投稿内容

・腎臓疾患患者では「腎性貧血」を起こしやすい

・「腎性貧血」がある患者のADLは低下する

・「腎性貧血」患者では、握力・膝伸展筋力の低下がみられる。←腎臓リハビリテーション学会から!

 

 

腎性貧血の概要

「腎性貧血」とは(病気がみえる Vol.8 p218)

赤血球の造血因子ホルモンであるエリスロポエチンの大部分は「腎臓」で生産されます。腎機能が低下することによってエリスロポエチンの生産が低下するため、赤血球が作られず貧血を起こします。これを「腎性貧血」と言います。

ただ、腎臓の機能が低下している患者の貧血がすべて「腎性貧血」とは限りません。stage③くらいまでの患者は、消化管出血など他の要因がないか確認してみてください。

 

★参考書籍

病気がみえる(vol.8)第2版 腎・泌尿器 [ 医療情報科学研究所 ]

価格:3,564円
(2019/3/16 14:37時点)
感想(12件)

 

特徴

・正球性生色素性貧血

・エリスロポエチン濃度低下

・自覚症状がない

 

などの特徴があります。

また、低酸素状態にも陥りやすいことでも有名です。

 

酸素を全身の臓器に運ぶ際、赤血球に酸素がくっついて運んでいきます。しかし、貧血状態の患者では酸素運搬能が貧血によって低下します。【慢性腎不全(CKD)とO2輸送効率】はこちら!

呼吸器疾患が合併した患者では、慢性腎不全などの腎機能低下疾患が合併していると、呼吸状態の予後は不良になります。

 

リハビリでは酸素飽和度にも変化を生じますので注意が必要です。SPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)を指で測定しますよね。SPO2は酸素飽和度なので酸素がどれだけ血中に溶け込んでいるのかをみる指標です。

赤血球がすくない「腎性貧血」では、酸素が体内に足りていても赤血球が足りないため、自覚症状がなくてもSPO2が下がっていることがあるんです。

なので、「腎性貧血」患者にSPO2を測定する際は、はかりにくくなることも頭の片隅に置いておくといいでしょう。

 

ADL低下・機能低下を起こす

「腎性貧血」が理由でADLが低下するイメージってつきますか?

女性なんかはイメージがつきやすいかもしれないですが、自分が貧血の時って動きたくないですよね。

健常人の貧血と「腎性貧血」では何が違うのか?

 

それは貧血に至る時間です。

 

健常人の貧血は、「腎性貧血」に比べ早く良くなります。

比べて「腎性貧血」は腎機能が低下していれば、ずっと貧血状態です。ましてや慢性腎不全患者の高齢化は年々進んでおり、高齢者がほとんどです。

 

このことを考えると、生活上の活動度は低下し、徐々にADLが低下していきます。

さらに、活動度が低下してくれば筋力も低下してくるため、動こうと思ったときには動けなくなり、ADL低下の悪循環が生じます。【慢性腎不全(CKD)とADLの関係性 ~下肢筋力低下がADLに関与~】はこちら!

筋力トレーニングの負荷量に関してはこちらを!【腎疾患のレジスタンストレーニング】はこちら!

 

リハビリ実施の注意点

心拍数の増加

「腎性貧血」は血中の酸素運搬に影響を及ぼします。その代償として、心拍数を増加させます。安静時から心拍数が高ければ、もちろん運動中にはもっと増加する可能性が高くなります。

 

SPO2(動脈血酸素飽和度)

前述した通り、SPo2は酸素が体内に足りていても運べる赤血球がすくないため、低下する傾向にあります。これは、自覚症状を伴わないことも多く、それとは逆に呼吸苦が出現することもありますので注意が必要です。

貧血患者に対する運動療法

 

腎臓リハビリテーション学会にて聞いてきた内容ですが、「腎性貧血」患者の身体機能に対する研究が報告されていたので紹介します。

 

貧血(Hb11g/dl以下)症例では、握力・膝関節伸展筋力に有意な低下が生まれます。

 

比較対象としては、慢性腎不全患者の貧血群と非貧血群に対する外来運動療法介入前の評価になります。

貧血がHb11g/dl以下の患者って多いような気がします。心拍数増加やSPO2の低下に注意しながら運動療法を実施する必要性がうかがえますね。

 

 

 

 

現役、理学療法士5年目のyo-chanです!!

東京都東村山市出身。専門学校で理学療法士の「いろは」をまなび、現在は埼玉県の総合病院で内部障害を専門に勤務しています。

腎臓病患者は・・・・

●身体機能・ADL低下
「早期老化モデル」ともいわれ、腎臓病がある患者の身体機能は健常者に比べ”半分”になります。それに伴い、活動量が減り、ADLの低下が起こります。腎臓病だけで日常の生活が普通に遅れなくなり、QOL(生活の質)が減少してしまう恐ろしい病気です。

●若手セラピストの増加
年間PT.OT.ST合わせて約2万人のセラピストが誕生しています。腎臓病がセラピストを必要としている中、腎臓病に関する知識をつける場が少ないのが現状です。そんな若手セラピストのためのコンテンツ配信を目的にしています。

Follow me!

-知識, 腎臓

Copyright© 腎GYM , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。