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呼吸 知識 胸郭

呼吸器疾患の胸郭機能障害 ~健常人との違いは?~

更新日:

こんにちは。yo-chanです。

呼吸障害の存在は日常生活に大きな制限をもたらす健常者では
安静時呼吸において大気圧760mmHgに対し胸腔内圧を±2mmHg変化させれば吸気·呼気が可能となり、安静時の1回換気量(約500mL)に含まれる酸素の3-4%を呼吸筋が消費するにとどまります。

 

しかし、重度の慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)の患者は健常者の10-20倍の酸素を消費するとされ、運動に伴い酸素摂取量が増加しても活動性の向上につながらないことが多くみられます。

 

 

その理由は、
過剰な分泌物の貯留
肺のコンプライアンスの障害に起因する気道閉塞
呼吸パターンの障害
などが存在するからです。

 

また、胸郭の硬さが増して努力性呼吸がさらに強いられ、換気運動に呼吸筋や呼吸補助筋がより多く動員され、酸素を消費するという理由もあります。

重度COPD患者に対して、胸郭の機能障害の観点を共有します。

 

 

 

 

 

胸郭の機能–正常な胸郭運動

換気に伴う胸郭の運動には、肋骨の運動だけでなく、
頚椎·頭部、下顎、肩甲帯、胸腰椎、骨盤を含めた脊柱全体が関係します。

 

体幹の運動と肋骨の運動

般的に運動後の整理体操と呼吸については、

体幹伸展と肋骨挙上に伴い吸気を行い
体幹屈曲と肋骨下制に伴い呼気を行う

と考えられています。

 

しかし、動作時には重力に抗して姿勢保持と換気がなされるため、呼気の際には体幹伸展と肋骨下制の様子が観察される。

具体的には、椅子からの立ち上がり時や床からの荷物挙上時に、体幹の伸展に伴い呼気がみられる。
また、オペラ歌手の発声の際にも、体幹伸展に同期した肋骨下制が観察される腹部の筋群による腹腔内圧と、それに伴う換気による胸腔内圧とがバランスを保っています。

このように、胸郭運動を評価する際には、体幹の運動と肋骨の動きを分ける必要があります。

 

 

頭頚部の運動

頭頚部の運動は呼吸補助筋の活動に大きく関与しています。
深呼吸時や最大換気時にも頭頚部が関わり、胸鎖乳突筋、斜角筋などが動員されます。

また、頭部のアライメントは上気道の機能と密接な関係にあり、円滑な嚥下活動を行う上でこの関係性は重要です。

 

 

胸郭(肋骨)の運動

上部胸郭

上部肋骨では図1Aのように、吸気時に前後径の拡大(pump-handle motion)が見られます。

 

図1

 

 

 

 

これには肩甲帯が大きく関わり大胸筋、小胸筋などの呼吸補助筋が動員されます。

 

下部胸郭(図1B、C)

下部肋骨では、横隔膜の作用により吸気時に横径の拡大(bucket-handle motion)がみられ、
胸骨の運動に伴い前後径拡大がみられる。

 

最下肋骨(第12肋骨)では、横径の拡大を伴った後方運動(caliper motion)がみられます。

 

 

腰腹部の運動

横隔膜の機能を発揮する上で腰腹部の運動は重要であり、下部胸郭の安定性に大きく関与します。

 

胸郭の機能障害

重度のCOPD患者では胸腰椎移行部の後弯上部胸郭の扁平化が認められ、
肺の過膨張により鎖骨挙上位肋骨水平ハンガーショルダー(肩甲骨挙上位、肩甲棘水平位)を呈します。

 

図2

 

 

 

 

図2は, dynamic MRIによる前額面上の画像です。健常者では最大呼気時と最大吸気時とで横隔膜の高さに大きな差を認めるが
重度COPD患者ではほとんど差が認められません。

 

これは、肺の過膨張により横隔膜が平低化し横隔膜が収縮しても吸気には至らないことを示しています。
これにより、上部胸式呼吸、吸気時頚部伸展、胸郭拡張不全が起こります。

 

 

上胸部

発症から長く経過した重度のCOPD患者の多く痩せ型です。

これは、運動の際に呼吸困難が出現し活動性が低下する一方で、食事摂取量が少ないにもかかわらず
気流抵抗が強く呼吸筋の過剰な活動が強いられ安静時代謝量が亢進するためとされています。

しかし、肺が過膨張し横隔膜が平低化すると横隔膜の機能が著しく低下し、そのため呼吸補助筋の活動性が高くなり
身体は痩せていても呼吸補助筋が逆に肥大します。

 

重度COPD患者では胸郭がビヤ樽状を呈し前後径が増します。
上部の胸郭が引き上げられ拡張性の低下を招き、換気量が減少します

 

図5

 

 

 

 

 

肺機能の目安として、

①僧帽筋と胸鎖乳突筋の肥大が確認されると一秒量1.000mL以下で一秒率50%以下
②吸気時に鎖骨上窩の陥没が確認されると一秒率800mL以下で一秒率45%以下
③呼気時の頸静脈怒張が確認されると一秒率600mL以下で一秒率45%以下

図5Aに示した座位での頭部前方突出では、主な呼吸補助筋である胸鎖乳突筋が前胸部を垂直に引き挙げる位置にあり、呼吸効率を高めます。

 

 

しかし、この姿勢では、胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋などの舌骨下筋群が舌骨を下後方へ引き下げるように働きます。
その力は、舌骨上筋群を介して下顎に伝えられ、下顎は後退と下制の方向へひかれます。

この状態では舌の前方への運動が制限され、舌が後退し、食塊の移動が制限されます。

 

 

また、嚥下時に喉頭を完全に移動できず、食道と気道の開閉が不全となり、誤嚥リスクが高まります (図5B)

 

時折、中斜角筋の過緊張により、肩甲上神経、長胸神経、肩甲背神経が絞扼され
棘上筋、棘下筋、前鋸筋·肩甲挙筋、菱形筋などの筋機能不全や安静時疼痛が出現することもあります。

 

 

 

 

 

 

下胸部

重症COPD患者では、肺の過膨張による横隔膜の平低化や胸郭拡張不全によって吸気努力が増大し、
背部や下部胸郭の過剰緊張が増大します。

 

第2肋骨から第11肋骨までは関節構造的に安定しているが
第1肋骨と第12肋骨不安定であり問題を起こしやすい。

 

腰方形筋は呼吸筋ではないが
機能的に第12肋骨や横隔膜と連動して吸気に働く

 

 

また、呼吸器障害のある場合や、咳のような速い呼気の場合
腹腔内圧の上昇を妨げないように横隔膜の緊張を助けるための過剰な働きを示します。

 

体幹が前屈した姿勢では

①横隔膜の活動が抑制され一回換気量が減少した浅くて速い呼吸
②静脈還流の低下による心拍数の上昇、
③頭頚部の前方突出による誤嚥の危険性など

さまざまな弊害が生じます。

 

 

 


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現役、理学療法士5年目のyo-chanです!!

東京都東村山市出身。埼玉県の専門学校で理学療法士の「いろは」をまなび、現在は埼玉県の総合病院で内部障害を専門に勤務しています。

私はおじいちゃんが野球をやっていたことを「きっかけ」に8歳から18歳までの10年間、野球に没頭してきました。

そんなおじいちゃんが17歳の時、脳梗塞で入院したことを「きっかけ」に理学療法士の存在をしり、目指すことにしました。

おじいちゃんと同じように、生活に困っている方にリハビリを提要している理学療法士の皆さん、また目指している学生さんに、そして、作業療法士、言語聴覚士のみなさんに

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