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未分類 知識 腎臓

大腿骨頚部骨折を合併した透析患者へのリハビリテーション

更新日:

こんにちは。yo-chanです。

骨関節疾患と腎不全との関係性について、面白い文献がありましたので紹介しますね。

透析患者の死亡原因としてもっとも多いのは「心不全」です。その一方で、骨折は直接的な死亡原因にはなりにくいため軽視されがちです。
しかし、骨折にともなう廃用が結果として寝たきりや心不全につながることは少なくなく、その過程はさまざまです。

2012年から診療報酬の改定により、透析患者の回復期病棟への受け入れが可能になりましたが、透析日のかかわり方への不安やリハビリテーション充実加算との兼ね合いから、その受け入れに慎重にならざるを得ない現状になっています。

そこで今回は、透析患者における骨折の過程及びリスクについて学び、透析日への理学療法のかかわり方の問題点と今後の課題について述べます。

 

 

 

慢性腎不全と骨強度との関係性

慢性腎不全における様々な代謝異常のうち、腎性骨異栄養症は高頻度の合併症です。体内のカルシウムの約99%が骨と歯に含まれ、血液中のカルシウム含有量はごく微量です。
健常者では、血液中カルシウム濃度が低下すると副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムを血中に吸収します。
さらに、腎臓の働きにより活性型ビタミンDが尿中のカルシウムの再吸収を促進し、血中カルシウム濃度を維持することができます。

一方で、慢性腎不全患者の骨代謝は、先に述べた健常者のサイクルが、腎臓の荒廃により悪循環へと陥っています。
腎機能の低下によりビタミンDの活性化障害が生じ、カルシウム吸収が減少します。
さらに、低カルシウム血症となると副甲状腺ホルモンが過剰分泌し骨吸収を促進されます。

この負のサイクルが、結果としてカルシウムの体内倉庫である骨の脆弱化を招き、骨塩量が減少し骨粗鬆症を容易に合併する骨粗鬆症は、骨塩量の減少と骨微細構造の劣化によって骨強度が低下し骨折を生じやすくなります。

もちろん骨粗鬆症は、慢性腎不全だけでなく、加齢によっても生じる変化です。寝たきりの原因としても骨粗鬆症が脳卒中、老衰に次いで挙げられています。
さらに、慢性腎不全患者、特に長期透析患者では、食事制限による栄養不良、1日4~5時間を週3回の透析に伴う活動性および運動量の低下、アシド-シスなどのリスクファクターにより、骨塩量の減少が圧倒的に早くなることが予測されます。

 

 

骨粗鬆症への対策として
・骨への適度な力学負荷を一定のリズムで加えること
・日常活動量を高く維持すること
・脊柱変形とそれに伴う疼痛を予防するために、体幹筋を中心とした筋力強化
を行うことが挙げられます。

しかし、骨粗鬆症対策としての運動は即効性が得られにくく長期的にわたり運動を継続することが必須となります。

以上のことを踏まえ、慢性腎不全および長期透析患者の寝たきり状態を回避するためには、透析日であっても適度な運動負荷を与えること、結果として廃用を予防し、予後を良好なものとする最善の方法と考えられています。

 

 

 

 

 

 

透析患者の運動負荷について

現在、運動負荷についていくつかのガイドラインが発表されているものの、透析患者における理想的な運動負荷については未だ確立されておらず、心疾患における運動療法とその禁忌·中止基準を適用とすることが勧められています。

心臓リハに準じた運動強度を基本に負荷量を設定が適しており、その運動強度は、中等度の有酸素運動でBorg指数(以下, BI) 11-13 (ATに相当)のもの、および患者の耐容能に応じたレジスタンス運動を組み合わせたものとしています。ただし、透析患者は糖尿病を高頻度に合併していることや心疾患を併発していることから、負荷量の設定は医師の指示のもとでなされるべきです。
さらに、リハ介入時は、血圧や患者の自覚症状、日々の臨床状態を十分に把握した上で、変化に注意しながら臨機応変に運動強度を設定することが重要です。

 

 

 

透析患者における大腿骨頚部骨折

通常の大腿骨頚部骨折の場合、受傷前のADLの状態にもよるが、術後の早期より離床を促し、安定型では疼痛の変化に応じて起立・歩行訓練を開始します。
その後、画像診断による骨癒合の経過に応じて対応し、問題がなければ全荷重歩行とし、退院が可能になります。
一方、長期透析患者では、腎性骨異栄養症を合併していることから通常より早期に高頻度に大腿骨頚部骨折が発生し、術後感染症などによる生命予後不良例も多くなっています。さらに、透析患者は透析時に細菌混入のリスクが絶えず存在することから、感染への配慮が必要です。

 

 

大腿骨頚部骨折受傷後の透析患者と非透析患者でのADLと入院期間の比較

今回、大腿骨頚部骨折術後の透析患者と非透析患者のADLと入院期間を比較することとし、それぞれ10症例で比較しています。

その結果を踏まえて以下に述べる

透析群、非透析群がそれぞれ10名と少ないのは、過去5年のカルテまでさかのぼり、受傷時点の重度の認知症および重篤な内部疾患の合併例を対象から除いたためです。すなわち、あくまで大腿骨頚部骨折のみを基礎疾患とした症例で比較を行っています。
受傷時のBIは、透析群で平均15点、非透析群で31点でした。
退院時のBIは透析群で64点、非透析群で81点でした。受傷時と退院時を比較したBIの伸び幅は両群とも約50点と差がなかった。
入院期間は透析群で平均148日、非透析群で66日でした(図参照)

 

 

受傷前移動手段と退院時移動手段の比較では、非透析群は全体の3割で独歩を獲得したが、透析群では独歩獲得はゼロであった。
BIの項目として食事、整容における差が主であった透析患者では、透析後の倦怠感とベッド上安静が重なり、急速に身体機能の廃用と認知症が食事動作などに介助を必要とした可能性が高い、一方、退院時BIでは移動、階段といった項目で差が大きかった。
透析群の退院時移動手段は5割が歩行器レベルであるが、あくまでできるADLであり、実際にはその大半が、バランス能力低下や耐久性低下のために監視や車椅子受傷時は両群ともベッド上安静であるため、進行し、併用といった条件付きであった。

 

入院期間は透析群が非透析群の倍以上であった。
これは仮骨形成が遅いことを考慮しても非常に大きな差です。透析群の約5割で、認知症の重度化や透析合併症による状態不安定がみられ、入院期間が大幅に伸びたと思わます。

これまでの比較から、透析患者に対するかかわり方を見直す必要があると考えられます。透析患者は、1日4時間、週3回の安静臥床による活動性及び運動量低下、骨の脆弱性など多くのリスクファクターへの配慮が必要です。
したがって、透析患者の大腿骨頚部骨折術後の対応としては、安静とするのではなく、非透析患者に対するのと同様、積極的な筋力増強、歩行およびADLの改善に取り組むこととし、基本的に本来の大腿骨頚部骨折のパスに則ったプログラム内容を変える必要はないと考える。

しかし入院期間の比較から、長期化の原因は廃用症候群にあることは容易に推測できる。
最近、これまで「透析日=安静」が推奨されていたガイドラインに全く根拠がないことが提起されたが、腎臓リハの重要性が述べられ、透析患者への積極的運動療法が推奨され始めてまだ間がない。廃用の進行を抑制するために、まずは医療者側の意論を変える必要があると考える。透析日であっても、バイタルサイン、自覚症状を評価した上であくまでも離床を促すことを念頭に置くべきである。
しかしながら、透析後の倦怠感、低血圧などで離床が困難な場合があることも事実である。

対策としては、病棟、透析施設と連携し運動療法を必要とする入院患者は準夜·夜間透析で対応することで、透析日であっても十分な運動療法を行う環境を設定する。
また、上記の食事制限によるエネルギー不足から生じる筋出力低下や持久力低下への対策が必要であるが、体重増加や除水量の関係により、実際には摂取カロリーそのものをコントロールするとは困難である。そこで、食事提供の時間を患者によって調整することや、患者それぞれの嗜好品を把握し満足感を得る食事内容とすることで食欲を維持·増進させ、低栄養を回避できるのではないかと考える。

 

 


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現役、理学療法士5年目のyo-chanです!!

東京都東村山市出身。埼玉県の専門学校で理学療法士の「いろは」をまなび、現在は埼玉県の総合病院で内部障害を専門に勤務しています。

私はおじいちゃんが野球をやっていたことを「きっかけ」に8歳から18歳までの10年間、野球に没頭してきました。

そんなおじいちゃんが17歳の時、脳梗塞で入院したことを「きっかけ」に理学療法士の存在をしり、目指すことにしました。

おじいちゃんと同じように、生活に困っている方にリハビリを提要している理学療法士の皆さん、また目指している学生さんに、そして、作業療法士、言語聴覚士のみなさんに

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